陰キャと陽キャは主観なんだよという話

読んだ本

TL;DR

  • 明るい≠陽キャ
  • 現状をより良くしたいと思えばよい
  • 自分・他者のポジティブな面を捉えよ
  • 勝ち負け思考からの脱却
  • 世の中の事象は確率的事象と思え

ここから感想

陰キャ陽キャという言葉がある。
他者に対して外交的なのが陽キャ、そうでないのが陰キャと言えるであろう。
ただ、それって自己の持ち様なのではないだろうか。

主観的に自身は陰キャであると規定することにより、行動が内向的に変化していき、他者から見たときに、 自分は陰キャというラベリングがされるのではないだろうか。

とすると、陰キャ陽キャというのは主観的な自己規定からくる行動特性という風に定義することもできる。

その様に定義できるとすると、自分の主観を「明るい」方向に持っていくだけでいいのではないか。
本書の言わんとしているところは、そういうことではないだろうか。

物事を歪んで見てしまうことは多かれ少なかれあると思うが、そこにバイアスが生じていたり、二極化的に捉えているのではないか と認知することからが大事な気がする。

自分自身を明るい・暗いと0・1的に切り分けるのも二極化的な思考であるといえる。
ある面には明るく(ポジティブに)捉えることもあれば、暗く(ネガティブに)捉えることもあるだろう。
自分自身の思考の中にグラデーションがあっても良いと私は考える。

ただ、そのグラデーション(ポジ・ネガの構成比)が1%でもポジティブに振れているほうが、過ごしやすいのではないかと思う。

本書の中で参考になったのは、「世の中の大半を確率的事象と捉えたらいいんじゃないか」という考え方である。
確かに、自分自身の行動や思考はある程度柔軟に変化・変更可能であるが、他者や自分を介さない何かは確率的な事象(固定変数といってもよいかも) と捉えるのが、精神衛生上良いのかもしれない。

他人は中々変わらないものだから気にしないでいいよなんて言葉を聞くが、それよりも確率的事象と捉えた方がなんとなく個人的には腹落ちした。
たとえば、他人が怒っている(他人の仕事の成果が低いなど)という事象を見ると、即座に真に受けて気分を害することはせず、5%の怒りというカードを 引いたのだと思えば、なんとなく引きが良いのかもとポジティブに捉えてみてもよいのかもしれない。
(他人の指摘をスルーすればという話ではなく、他人の怒りというマイナス感情をぶつけられた時にどう処理するかという話である。)

終わりに

本書は、自分自身が陰キャだとかネガティブ思考が強いなと思っている方にオススメである。
もちろん、陽キャだとかポジティブ思考なんだ私はという方にも改めて自身の思考のクセみたいなものが合致しているかどうかの 判別式的に本書を読むこともいいだろう。

ご時世的に「暗く」感じることも多々あるが、マイナスがあればプラスもある。プラスもあれば、マイナスもあると考えてみると 世の中の「明るい」面も捉えるように考えてみれば、どのようなことが自分にできるかな、やってみたいかなと前向きに思考・行動が できるのではないでしょうか。

「技術書」の読書術を読んで

今回読んだ本

「技術書」の読書術

読んでみて

評価:★★★★☆
すぐ使えるTips集。
記事を読むことはするが本をあまり読まないエンジニアにとっては本を読むための技術と考えると取っ掛かりとして最適であろうと思う。

TL;DR

  • 技術書はたくさん読め
  • 何度も同じ本を読め
  • 優先度をつけて読め

ここから感想

日頃から読書が習慣な人間にとっては、経験知的に知っていることが多いかと思う。
ただそれでも人の読書習慣・技術というのはテクノロジーの変遷や時代によってアップデートされていくため、こういった本は時々読んでおくと自分の中の読書術を振り返ってみるいい機会になりうる。

個人的に役立ったのは、「積読の解消法」という章。
電子書籍をメインとして買う・読むをしている身とすると日々のセールなどで気になった本を片っ端から買っていくのは 常であり、積読がどうしても山のように高くなっていく。

ただ、そこに対して「いかに対処するか」については微塵も考えてこなかった気がする。
それに対する一助として本書の一章は非常に参考になった。
簡潔に言うと、「優先度を付けてあげる」ということになる。

なんだそんなことかと思うが、日々の仕事で自身のタスクの優先度を切り分けて行動することは当たり前でもプライベートの
読書やら作業に対してまで優先度を考えたことはあまりないのではないだろうか。
だとすると盲点的発想だが、読書に対しても優先度を付けてあげるというのが参考になるTipsとなる。

読書に対する優先度とは、つまりどの本から読んでいくかになる。
本書では、「重要度×緊急度マトリックス」「狩野分析法」の2つを提案している。

その詳細には触れないが、個人的には、「狩野分析法」が有益な気がしている。
なぜそうかというと自身のスキルや業務の棚卸も兼ねているからである。

「狩野分析法」では、充足・不充足で要件・機能を切り分ける場面で使用するケースが多い。
これを自身に当てはめて考えると、それは自身の短~長期的なキャリア・仕事・興味関心を加味して充足・不充足を考慮することになるからである。

最後に

好きな本を好きなタイミングで好きなペースで読めばいいだろうと自分自身もそう思っている節はある。
読書が、中長期的に自分のスキルや思考に影響してくるのも事実だと感じている。

だとすると自分自身のキャリアやスキルを考慮した上でどう読書していくかというのも一つの「技術」であろう。
そういった思いをさせてくれたのも本書の良かったところと言える。
まあある種ファストフード的やお菓子的な読書も息抜きとして重要なので最終的には「ご利用は計画的に」となるのだろうが。

「なぜか好かれる人がやっている100の習慣」を読んで

今回読んだ本

なぜか好かれる人がやっている100の習慣

読んでみて

モテたいという感情を持ったことは人生で何度もあったでしょう。
人から好かれるということは、社会で生きていくうえで非常に良い性質だと思います。 仕事をする上でもどのような職種であれ、コミュニケーションは必ず発生し、言動で相手の自分に対する印象は 目まぐるしく変わっていきます。

そういった前提に立つと、自分がどのように立ち振る舞い、どうあるかということを自覚し良いと思われる風に 自分を持っていくことが重要だと感じるはずです。

さて、本書では大きく7章構成で「好かれる」ために意識したほうがよい100の習慣というTips構成になっています。

  1. 見た目・しぐさ
  2. 話し方
  3. 人づき合い
  4. 行動
  5. ポジティブ思考
  6. 仕事・営業
  7. ストレスフリー

1&2が外側から見える自分、3&4&5が内側の自分を変える内容になっています。 内側を変えるところから変えていくのが筋道のように感じますが、習慣化していくことを考えると簡単にできて 結果が見えやすいところを考慮すると外側から変えていくのが良いと著者は判断したのでしょうか。

良い判断だと思います。習慣化する上で「形から入る」なんて言葉があるように、ちょっとしたところからスモールステップで 変えてちょっとした結果を出していくところからが習慣化という長い道のりの上では良いのでしょう。

自分自身が取り入れようと思ったのは以下の3つです。

  1. 口角を上げる
  2. 視線をコントロールする
  3. 無意識を制する

「口角を上げる」≒笑顔ということになります。まったく笑顔にならない無表情であるというわけではありませんが、「話しかけやすい」と 思う人の顔を思い浮かべてみると口角が自然と上がっていますよね。 逆に「話しかけにくい」と思った人の口角は下がっていますよね。

仕事であれ、恋愛であれ「話しかけやすい」というのはとてもアドバンテージある性質だと思います。 連携プレーが必要な仕事においても「話しかけやすい」ことで業務がスムーズに進行したりということがあります。 仕事においては正論だけでまかり通るべきであるという考えを持っていても人はプログラムではなく理性と感情を持った生き物なので 理性だけでなく感情を上手くドライブしてあげることが大切だと感じます。

そうであるならば、「話しかけやすさ」を身に着ける上で口角を上げることを意識することは結構コスパが良いことなのではないでしょうか。*1 自然と仕事がスムーズになり、異性に話しかけられやすいと思うようになったら非常に人生の角度が良くなりそうです。

続いて、「視線をコントロールする」ということです。 ジロジロ見る、舐めまわすように見るなんて目線・視線を表現する言葉が多く、目は口程に物を言うということわざまであります。 相手が自分をどう見ているかをダイレクトに物理的に意識するのが「視線」というわけです。

自分が男性で相手が女性として、全身を見るような視線移動をすると気持ち悪い印象を受け付けるかと思います。 そのように自分の視線移動は相手に対してダイレクトに印象を与えるものが故に、意識的に視線をコントロールすることで良い印象を 植え付けるような視線移動をしましょうねというのが本書の指示であります。

かといってじっと目を見つめ続けるというのもいささかオーバーな行動だと思うのでそれは相対する人物との関係性やなし得たいことを 意識して視線を動かす必要があるため、絶対的にこう視線移動しなさいというのはないと思いますが、「どういった視線移動は相手にとって 不快であるか」を意識して生活するのが重要のように感じます。 言い換えると減点される視線移動をいかに減らせるかということを普段の生活から行うことが良いのでしょう。

最後に、「無意識を制する」です。 普段生活をしているとほぼすべての行動が無意識下で動いているはずです。呼吸することだって目を開けたり閉じたりするのも無意識でやっていますよね。 意識的に行っていることなんて一日の中で考えると一割にも満たないのではないでしょうか。 相手の自分に対する印象を良くするためにを考えると相手が「良い」と思えることあるいは、「不快」と感じる行動をいかに無意識下の行動習慣に対して付け加える もしくは減らしていくかということになります。

永続化された習慣が無意識下の行動だとすると永続化するまでその行動を続けていかないといけないことになります。 従ってある程度は意識的に同じ行動を繰り返すことになるかと思います。 とはいえ、1年もかかるわけではなくおそらく3か月くらいで永続化できる習慣に落とし込めることでしょう。

何を無意識下の行動に落とし込むかは人それぞれケースバイケースだと思うのでこれが良いというのはないですが、 人が行った不快な言動、良いと思った言動など他人からも学べることはたくさんあるのでそれを吸収して始めとしてやっていくのが 良いのではないでしょうか。

最後に

「好かれる」ということを100個の習慣Tipsから学んだこととしてやはり「相手」の方向に心のベクトルが向いた状態であるということです。 自分のことばかり考えているとやれナルシストや自己中だという揶揄をされてしまいます。もちろん自分を卑下しているより個人的にはよっぽど良い 状態かと思いますが、いずれにせよバランスが大事であるということです。

相手に傾倒してもダメ、自分に傾倒してもダメでしょう。 自分を律し相手に思いやりの心を持つことが大事です。 言葉でそう書くとものすごく簡単なことに聞こえますが、言うは易く行うは難しのように実践に移すのが非常に難しい分野でもあるかと思います。 そうであるがゆえに、100個の習慣という形で取り入れやすい形にして一気に読めるのが本書のいいポイントだと思います。

もちろん自分にとって不要だと感じる点も多々あることでしょう。 ただ、自分にとって良いと思えることが一つでもあれば、まず試してみるのはいかがでしょうか。 そんな一冊だと思います。

*1:本来、人づき合いなどにコスパを意識するのは良くないかもしれませんが無意識下に落とし込むまではコスパを意識しておくのが良さそう

「リーダーのためのフィードバックスキル」を読んでみて

今回読んだ本

今回は、フィードバックに関する書籍です。 自分自身リーダーではないものの、業務において他メンバーのタスク管理や ドキュメントやタスクのレビューなど行っているため、フィードバックの機会は多々あります。

とはいえ、どのようにしてフィードバックを行うのが最適なのかわからず、場当たり的な それを行うことが多いため、書籍で他者の経験からパクっていこうという魂胆であります。

読んでみて

読んでみて、結論、「むずいな」に尽きます。 というのも、誰しも受け止め方が異なるためです。

受け止め方が異なるというのは、フィードバックを受けてそれを内省し次回アクションから生かせる人は そう多くないという意味でもあります。

とはいえ、フィードバックをしませんというのは、一番逃げの選択肢であるため、改めて読んで何を感じ、 次に活かしていくかをまとめていきます。

フィードバックには一貫性を持たせる

具体例がぱっと思いつかず、雑な例えですが、前期は右を見なさいと言われ、その次には左を見なさいというように 受けるフィードバックに一貫性がないケースって多々ありますよね。

それは、フィードバックの受け手にとってもする側にとっても悪手な状況と言えそうです。 なぜなら、受け手が行動の改善を図りにくいためです。もっと言うと、単に「腹落ち」しないためです。 そうなると、どのようなフィードバックを行っても受け止められることはなく左から右へ聞き流されるだけになります。

従って、フィードバックには一貫性を持たせるということの重要性がなんとなくつかめたかと思いますが、 では、どのようにして「一貫性」を持たせていくのかというと、以下の3つの要素が必要となってきます。

  • 継続的に行うこと
  • 辻褄が合うように徹底させること
  • 非常に慎重に行うこと

人から一度言われたことを常々頭の片隅に置いておけるのは、とても記憶力の高い人間くらいではないでしょうか。 そのため、同じことを何度も言うことが重要になってきます。もちろん言い方・伝え方を変えて同じことを言い、「腹落ち」 させるまで続けることが必要です。

また、同じことではなくとも辻褄が合うように行わなければいけません。この条件が満たされないと、そもそも「一貫」している とは、到底言えません。

そして、非常に慎重に行うことですが、フィードバックの受け手の立場で考えると自分のことを思って言ってくれているのかや自分の状況 などを理解して言ってくれているのかといったことをもってフィードバックの内容を判断するかと思います。

そうであるならば、その視点を持った状態でフィードバックを行う側が発言しないと、「聞く価値」がないと思われてしまいます。 そのため、上からものをいう状態になっていないかや相手の立場・状況を踏まえたうえでのことなのかなど色々な視点をもってフィードバックを 行う必要があります。

では、実際にどのような行動をもってフィードバックを行っていくかというと、本書では次のような行動を推奨しています。

  • 観察する
  • 相手の話を聞く
  • 自分の感情を伝える
  • 行動を促す

ファクトベースなんてかっこよく言いますが、フィードバックを受けてそれが自分のやってきたことや状況に合致しないのであれば、誰しも 的外れな意見だと思いますよね。

その通りで、フィードバックを行う側は、あくまで相手がどのような行動をしたか、状況だったかという「事実」を観察しておく必要があるのです。 抽象的なフィードバックも内省を促すのに重要ですが、具体事例を挙げて抽象度の高いフィードバックを行う方が、相手が内省しやすくなりますよね。

また、相手の話を聞くですが、それは言い訳を聞くなどではなくフィードバックを行う上で自分が認識していることと相手が認識していることに ずれがないかを確認する必要があるためです。

よく話が平行線になんて言葉がありますが、お互いの認識がズレているとそれはもうフィードバックを聞く価値なしと相手に判断されてしまいます。

そして自分の感情を伝えるですが、感情を露わにして「それはイラっとしました」のように攻撃的なものではないということを認識しておく必要が まずあります。

相手にいかにフィードバックを受け入れてもらえるかということを考えると、相手の立場に立って受け入れやすい表現をする必要があるというのが、 この感情を伝えることの要素かと思っています。

最後に行動を促すですが、次回から○○をやってみましょうとフィードバック面談などで言ったり、言われたりしますが、果たしてそれは実現 されているのでしょうか。

ほとんどが、されていないのではと思っています。これは、確実にログをとってやりましょうということではなく、まず期待値を揃えてあげようという ことかと思います。

それはKPIのようなものではなくベクトルのようなものだと考えています。こういった行動や結果が望ましいというマイルストーンを置いてあげて 内省を促すというのが重要だと思います。

その上で、即座に改善できることを提示したり、できたときは褒めたり、できなかったときは一緒に原因を探ってみたりと前に進んでいくような アプローチが必要になってきます。

終わりに

フィードバックというのは、する側から受けてへのダメ出しというような印象を持っているのが大半かと思います。 しかし、本書はそういったことは悪であり、本来のフィードバックの目的とは、お互いが成長と成果を目指せるようになることであると 結論づけています。

これに関しては、個人的にも同意であります。単なる個々の行動の改善であるならば、おそらく人に言われるより、ロボットなりAIのように 人を介さない方が望ましいような気がします。(受験の模擬試験の結果みたいに)

そうではなくフィードバックを人が行うのであれば、立場で聞かせるなどもってのほかでお互いのコミュニケーションの一手段として 成長や結果を目的として未来志向的な行動を促していくものである必要があるように感じます。

これは、受け手にとっても同じであり、偉い人が言うから聞く、ダメな部分には目をつむるといったことをせずに自分を成長させるために 他者からどう見られているか、どこが悪いと思われているかなどを分析する一つのデータであると受け止める必要があると思っています。

常々、フィードバックを人格攻撃と受け止めてしまう人が多いので良くないと思いますが、自分を自己と切り離して仕事上のプレイアブルキャラクターと 自分を見立てて、それに対する評価であると第三者的に見た方が、精神衛生上も良いのではと個人的には思っています。

色々と書いてきましたが、本書はフィードバックを行う人にとっても受けてにとっても読んでおくべき一冊だと思います。 長いですが、細かなアクションについても記載されていますのでフィードバックを行う側は、フィードバックを行う前に読んで 何に気を付けておくかを意識しておくとよいものになっていくのではないかと思います。

「やり抜く人の9つの習慣」を読んで

今回読んだ本

年始や期初など働く上で、個人として何かしらの目標を立てることは多い。 ただ、道半ばで目標を諦めることも少なくはない。

目標達成とググると、星の数ほどのTips含め記事なり、オススメ図書が上がっているが、 本書は、かなり簡潔に30分もあれば読める分量で目標について記載されたものになっている。

所感

目標達成のためのルールとして本書では、9つのルールを教えてくれる。 それは、以下のようである。

  1. 目標に具体性を与える
  2. 目標達成への行動計画をつくる
  3. 目標までの距離を意識する
  4. 現実的楽観主義になる
  5. 「成長すること」に集中する
  6. 「やり抜く力」を持つ
  7. 筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
  8. 自分を追い込まない
  9. 「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する

わかるようなこともあれば、わからないこともあるが、よくあらゆる記事などで上がっていて、改めて意識しておきたいことは、 上のルールの中の1~3である。

目標管理方法として、KPIやOKRがあり、それぞれ様々な本で書かれているので割愛するが、 どちらも定量的な指標をもって管理する(KPIやOKRではKRがそれにあたる)。

企業で働いていると目標として、売上XXX円や昨対XXX%など定量的な目標がある。 しかし、個人の私生活的な目標として、定量的なものを上げている人はそこまで多くはないのではないだろうか。 なんとなく、英語を話せるようになりたい、プログラミングを勉強するなど定性的なありたい姿を描くケースが多いのではないだろうか。

そうであるとするならば、本書のルールに立ち返って、定量的な目標に落とし込んでみるのが良いのかもしれない。 例えば、「夏までに痩せたい」であれば、「7月1日までに体重を60kgまで落とす」のように期限や数値を用いて落とし込むのが良い。

その理由としては、行動計画と距離が意識されるようになるからである。

行動計画とは、字義通り、どういった行動をいつまでに行うかということである。 先の例のようなダイエットであれば、期日と目標値が設定されているため、現在時点との差分を考慮して日々食べるべきカロリーや 運動量を日割りで計算することもできる。

そのように、自身が設定した目標に対して、どのような行動を日割りで落とし込むと簡単なタスクベースになるので行動もしやすい だろうということである。

また、距離であるが、いわゆる進捗率というものである。 目標に対してどの程度進捗しているかを意識できるようになるのも定量的な目標に落とし込んでいるからである。

その上で、個人的に興味深いキーワードとして「現実的楽観主義者であれ」ということである。

なんとかなる、自分ならできると根拠もなく自信を持つことを通常の楽観主義とすると、本書の現実的楽観主義が、どういったものであるか というと、目標を達成できるという自信を持ちつつ、それを行うことは容易くないと感じているということである。

どういうことかというと、目標達成の道中にある障害を見つけていくか否かが通常の楽観主義との違いである。

そこに現実的という言葉が当てはまってくるが、なんとかなると思っているが、なんとかするためにどういったことが障害になりうるかを 考えてその対策を考えて実行していくのが、現実的たるゆえんである。

確かに、個人の目標においては、時間の制約などがある中でなんとなくできるだろうと思って計画を立てがちである。 そうして実際にできなかったことに対して憂い、挑戦したりすることを早々とあきらめてしまうケースが本当に多い。

そうであるならば、目標を達成していく中で起きうる障害を考えて先に対策しておくということは合理的であり、効果で気なのではないだろうか。

終わりに

他にも本書では、「if-thenルール」なるものがある。特定状況下ではこういう行動をするというなパターンを作っておくということである。 これは、普段の仕事でも役立つものであるように感じる。

「メールが来たら、すぐ返す」などこうしたらこうするというように決まりきったものに対して事前に型を決めておくことで 考える力を使うことなくタスクをさばいたりすることができるため、集中度を上げて仕事を進めやすくできるかもしれない。

このように、本書では、特段自分自身の目標に役立つことだけでなく普段の仕事に転用できそうなことも多く書かれている。 その上で、簡潔に書かれているため、さくっと読んで明日から実践することもできるのが良いところかもしれない。

今一度、自分自身の目標などを定量に落とし込んだうえで、現実的楽観主義となり着実に達成していくことが、 地味ではあるが、確かなものなのかもしれない。

「NO RULES」を読んで

今回読んだ本

Netflixの文化について、CEOであるリード・ヘイスティングスとインタビュアーであるエリン・メイヤーにより、 記された本書である。

家族というより、スポーツチームであり、無能であるならば即刻クビになる。
そんなイメージがあるが、確かにそうであり、そうでないのかもしれない。

本書を読んで感じるのは、Netflixというサービスを中心としてその質を向上させる上で何が最適なのかを 経験を通じて作り上げていく様が目に浮かぶということである。

所感

スポーツチームのような組織であるというのが、Netflixのイメージであるが、そこにはどういった背景があり、 そうなっているかというのを見てみると、大きく異なるのは、「フィードバック文化」であるように思える。

率直に思うところがあれば、言いましょうというのはどの企業においても是とされているが、それが適切に (どういった形が「適切」なのかは各組織で異なるが)運用されているのはほとんどないのではないだろうか。

フィードバック=人格攻撃のように受け止められる節があり、またフィードバックを受け止める訓練をしてきていないので 致し方ないところもあるだろう。その上で、Netflixではストレートに指摘しているかというとそうでもないようである。

「相手に面と向かって言えることしか口にしない」という標語だ。 ネットフリックスでは、誰かに役立ちそうなフィードバックがあるときに口にしないことは、会社への背信行為とみなされる。

このような一説がある。
きついなと感じるかもしれないが、このくらいコンテキストを揃えてあげないと文化として成り立たないのであろう。

個人的観測範囲内だが、改善ポイントがあってもその場でフィードバックせず、後になっても心の中にとどめておくことが 自他ともに多いように見受けられる。
それで改善される機会が少ないのであれば、個人としてチームとして企業として良くなる方へ進みづらいのが事実であろう。

そのため、Netflixでは、このようにフィードバックを文化として昇華させているのであろう。
本書を読む中でNetflixに転職してきて初日からフィードバックを数多く受け面食らうというようなエピソードも随所にあるので 我々日本人が、というわけではなく向こうの彼らとて驚くほど初めは異質なものなのかもしれない。

では、文化として昇華させる上で、リード自身がそうしてくれとコンテキストを埋め込むだけではすんなりいくわけではなく、 フィードバックの正しいやり方や間違ったやり方など、フィードバックを正しく行えるようにドキュメントや研修プログラムを用意しているみたいである。

終わりに

本書では、さまざまなエピソードを通じてNetflixがどういった文化を持っている企業であるかを読み手にイメージさせてくれるものである。 では、読んだ後に所属している企業に即座に還元できるかというとそう多くはないと感じる。

ただ、フィードバックを適切に行っていくということ、プロスポーツチームのように行動することは少しずつ取り入れられるかもしれない。 自由や自律、責任と権限など色々なところで働く上でのキーワードとして記事などで見かけることがよくある。 それを掲げることと体現することは天と地の差があるが、どう具体的に進めていくかの一つの参考例として本書を読み進めていくと 良いのかもしれない。

とりあえず個人的には、フィードバックに関しては、他の書籍も読んで改善を進められるような動きをしていきたいなと感じさせてくれた 一冊だったと感じている。

「ユニコーン企業のひみつ」を読んでみて

今回読んだ本

巷で話題の本を買ってみました。
自分は、エンタープライズでもなければ、スタートアップでもなんでもない企業に属していますが、 自身の手の届く範囲でもまず良くなればと思い、手に取りました。

結論として、半年とか1年とかそういった周期でざっと目を通すような本になるのかなと思いました。 自分はメンバーレベルの立場ですが、マネージャーなど部下を持つような役職の立場にいる人に特に 読んでほしい一冊ですね。

スクワッドとは何か

スクワッドとは、本書曰く、職能横断型の自己組織化されたチームとのこと。(大抵8名以下で構成されるらしい)
自己組織化されたとは、何を指すかを読み進めると、「自律」「権限」というキーワードが浮かび上がってくる。
到達すべき設定されたミッションがあり、それに対して自分たちで道筋を作り、そしてそれを前に進めていくための意思決定権限が あるということが、「自己組織化された」という意味と理解できる。

すなわち、スクワッド自体が長期的な視点を持ち、開発プロセス(≒デリバリなど)における無数のトレードオフに対してバランスを 取れる権限を持っていることを指す。

単にアジャイルスクラムを適用し、プロダクトオーナーが作成したバックログを淡々とこなすことでスクワッドになるかというと そうではないのかもしれない。
プロダクトを中心とし、ミッションに基づいてプロダクトを前に進めるためにあらゆることを自分事化して、「自律」的に動ける 人々がチームとして構成されているのが、スクワッドの必要条件に感じる。

また、スクワッド自体が自律的に動けることは、各人がより仕事を自分事化し、楽しく生産性高くなるかもしれない。
これは、個人的意見だが、階層が上の人がよく部下たちに対し、自律をもって自分事化してほしいと言うケースが多々あるが、 それを可能とする権限付与や環境設定(≒ミッションやバリューなど)が足りていないのではないかと感じる。 更に言うと、自分たちが自律的に動ける環境や権限がどの程度あればその状態を達成しうるかを検討する余白がないのが一番の 問題なのかもしれない。

さらに進んで

独特な言い回しだが、「トライブ」「チャプター」「ギルド」というものが存在する。

トライブとは、スクワッドの集合体のようなものである。関連した機能・サービスに応じてスクワッドをまとめ上げたものと いう認識で間違いはないはずである。

チャプターとは、同じ専門性によってグルーピングされたものである。例えば、フロントエンドエンジニアやQAエンジニアのように 簡単に言うと職種などでまとめ上げられたものになる。

ギルドとは、同じ専門分野に応じてグルーピングされたものである。例えば、iOSPythonのように職種如何によらず特定分野に興味関心が ある人たちをまとめ上げるのに使用する。

この説明を読んでいると、マトリクス組織のように感じますよね。その上で本書の中でもこれはマトリクス組織ではないかという問いに対して 「そうでもあるし、そうでもないといえる」と回答している。(どっちなんだい)

デリバリーにフォーカスしているのが、その差異だと記載されているが、あまり理解できない。
縦方向=スクワッド≒チームに属して何を開発していくか、進めていくかを理解した上で横報告=チャプター≒同職種の集まりの中で どうやって≒専門性を共有知化したり、練度を高めていくのが、差異なのかもしれない。

結果、読んでみて

面白い。それゆえにどう実践に落とし込んでいくかは、ぶっちゃけ1メンバーレベルでは難しく感じる。 これは、企業の文化であり、どこを重要視しているかという「観点」のお話のように感じる。

となると、すべての企業がこれを受け入れてそのように適用できるとは、思わないし、自分たちが重要視していることが まず何なのかを明確化した上で、浸透させていくことが一番重要に思える。

本書では、自律、権限、カンパニーベットなどスタートアップらしいキーワードが出てきている。 文化を変えることはとても難しい。とはいえ、個人として大事にしている信念なりを実地に落とし込んでふるまっていくことで 少なからずチームレベルでは伝播させることはできるかもしれない。

ネガティブな側面ばかり見ずにどうありたいかを想像し、逆算的に行動していくことが、第一歩かもしれない。 その上でボトムからトップまで「ふるまい」を「文化」として昇華していくことが変化の第一条件に感じました。