「やり抜く人の9つの習慣」を読んで
今回読んだ本
- 作者:ハイディ・グラント・ハルバーソン
- 発売日: 2017/07/01
- メディア: Kindle版
年始や期初など働く上で、個人として何かしらの目標を立てることは多い。 ただ、道半ばで目標を諦めることも少なくはない。
目標達成とググると、星の数ほどのTips含め記事なり、オススメ図書が上がっているが、 本書は、かなり簡潔に30分もあれば読める分量で目標について記載されたものになっている。
所感
目標達成のためのルールとして本書では、9つのルールを教えてくれる。 それは、以下のようである。
- 目標に具体性を与える
- 目標達成への行動計画をつくる
- 目標までの距離を意識する
- 現実的楽観主義になる
- 「成長すること」に集中する
- 「やり抜く力」を持つ
- 筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
- 自分を追い込まない
- 「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する
わかるようなこともあれば、わからないこともあるが、よくあらゆる記事などで上がっていて、改めて意識しておきたいことは、 上のルールの中の1~3である。
目標管理方法として、KPIやOKRがあり、それぞれ様々な本で書かれているので割愛するが、 どちらも定量的な指標をもって管理する(KPIやOKRではKRがそれにあたる)。
企業で働いていると目標として、売上XXX円や昨対XXX%など定量的な目標がある。 しかし、個人の私生活的な目標として、定量的なものを上げている人はそこまで多くはないのではないだろうか。 なんとなく、英語を話せるようになりたい、プログラミングを勉強するなど定性的なありたい姿を描くケースが多いのではないだろうか。
そうであるとするならば、本書のルールに立ち返って、定量的な目標に落とし込んでみるのが良いのかもしれない。 例えば、「夏までに痩せたい」であれば、「7月1日までに体重を60kgまで落とす」のように期限や数値を用いて落とし込むのが良い。
その理由としては、行動計画と距離が意識されるようになるからである。
行動計画とは、字義通り、どういった行動をいつまでに行うかということである。 先の例のようなダイエットであれば、期日と目標値が設定されているため、現在時点との差分を考慮して日々食べるべきカロリーや 運動量を日割りで計算することもできる。
そのように、自身が設定した目標に対して、どのような行動を日割りで落とし込むと簡単なタスクベースになるので行動もしやすい だろうということである。
また、距離であるが、いわゆる進捗率というものである。 目標に対してどの程度進捗しているかを意識できるようになるのも定量的な目標に落とし込んでいるからである。
その上で、個人的に興味深いキーワードとして「現実的楽観主義者であれ」ということである。
なんとかなる、自分ならできると根拠もなく自信を持つことを通常の楽観主義とすると、本書の現実的楽観主義が、どういったものであるか というと、目標を達成できるという自信を持ちつつ、それを行うことは容易くないと感じているということである。
どういうことかというと、目標達成の道中にある障害を見つけていくか否かが通常の楽観主義との違いである。
そこに現実的という言葉が当てはまってくるが、なんとかなると思っているが、なんとかするためにどういったことが障害になりうるかを 考えてその対策を考えて実行していくのが、現実的たるゆえんである。
確かに、個人の目標においては、時間の制約などがある中でなんとなくできるだろうと思って計画を立てがちである。 そうして実際にできなかったことに対して憂い、挑戦したりすることを早々とあきらめてしまうケースが本当に多い。
そうであるならば、目標を達成していく中で起きうる障害を考えて先に対策しておくということは合理的であり、効果で気なのではないだろうか。
終わりに
他にも本書では、「if-thenルール」なるものがある。特定状況下ではこういう行動をするというなパターンを作っておくということである。 これは、普段の仕事でも役立つものであるように感じる。
「メールが来たら、すぐ返す」などこうしたらこうするというように決まりきったものに対して事前に型を決めておくことで 考える力を使うことなくタスクをさばいたりすることができるため、集中度を上げて仕事を進めやすくできるかもしれない。
このように、本書では、特段自分自身の目標に役立つことだけでなく普段の仕事に転用できそうなことも多く書かれている。 その上で、簡潔に書かれているため、さくっと読んで明日から実践することもできるのが良いところかもしれない。
今一度、自分自身の目標などを定量に落とし込んだうえで、現実的楽観主義となり着実に達成していくことが、 地味ではあるが、確かなものなのかもしれない。