「リーダーのためのフィードバックスキル」を読んでみて

今回読んだ本

今回は、フィードバックに関する書籍です。 自分自身リーダーではないものの、業務において他メンバーのタスク管理や ドキュメントやタスクのレビューなど行っているため、フィードバックの機会は多々あります。

とはいえ、どのようにしてフィードバックを行うのが最適なのかわからず、場当たり的な それを行うことが多いため、書籍で他者の経験からパクっていこうという魂胆であります。

読んでみて

読んでみて、結論、「むずいな」に尽きます。 というのも、誰しも受け止め方が異なるためです。

受け止め方が異なるというのは、フィードバックを受けてそれを内省し次回アクションから生かせる人は そう多くないという意味でもあります。

とはいえ、フィードバックをしませんというのは、一番逃げの選択肢であるため、改めて読んで何を感じ、 次に活かしていくかをまとめていきます。

フィードバックには一貫性を持たせる

具体例がぱっと思いつかず、雑な例えですが、前期は右を見なさいと言われ、その次には左を見なさいというように 受けるフィードバックに一貫性がないケースって多々ありますよね。

それは、フィードバックの受け手にとってもする側にとっても悪手な状況と言えそうです。 なぜなら、受け手が行動の改善を図りにくいためです。もっと言うと、単に「腹落ち」しないためです。 そうなると、どのようなフィードバックを行っても受け止められることはなく左から右へ聞き流されるだけになります。

従って、フィードバックには一貫性を持たせるということの重要性がなんとなくつかめたかと思いますが、 では、どのようにして「一貫性」を持たせていくのかというと、以下の3つの要素が必要となってきます。

  • 継続的に行うこと
  • 辻褄が合うように徹底させること
  • 非常に慎重に行うこと

人から一度言われたことを常々頭の片隅に置いておけるのは、とても記憶力の高い人間くらいではないでしょうか。 そのため、同じことを何度も言うことが重要になってきます。もちろん言い方・伝え方を変えて同じことを言い、「腹落ち」 させるまで続けることが必要です。

また、同じことではなくとも辻褄が合うように行わなければいけません。この条件が満たされないと、そもそも「一貫」している とは、到底言えません。

そして、非常に慎重に行うことですが、フィードバックの受け手の立場で考えると自分のことを思って言ってくれているのかや自分の状況 などを理解して言ってくれているのかといったことをもってフィードバックの内容を判断するかと思います。

そうであるならば、その視点を持った状態でフィードバックを行う側が発言しないと、「聞く価値」がないと思われてしまいます。 そのため、上からものをいう状態になっていないかや相手の立場・状況を踏まえたうえでのことなのかなど色々な視点をもってフィードバックを 行う必要があります。

では、実際にどのような行動をもってフィードバックを行っていくかというと、本書では次のような行動を推奨しています。

  • 観察する
  • 相手の話を聞く
  • 自分の感情を伝える
  • 行動を促す

ファクトベースなんてかっこよく言いますが、フィードバックを受けてそれが自分のやってきたことや状況に合致しないのであれば、誰しも 的外れな意見だと思いますよね。

その通りで、フィードバックを行う側は、あくまで相手がどのような行動をしたか、状況だったかという「事実」を観察しておく必要があるのです。 抽象的なフィードバックも内省を促すのに重要ですが、具体事例を挙げて抽象度の高いフィードバックを行う方が、相手が内省しやすくなりますよね。

また、相手の話を聞くですが、それは言い訳を聞くなどではなくフィードバックを行う上で自分が認識していることと相手が認識していることに ずれがないかを確認する必要があるためです。

よく話が平行線になんて言葉がありますが、お互いの認識がズレているとそれはもうフィードバックを聞く価値なしと相手に判断されてしまいます。

そして自分の感情を伝えるですが、感情を露わにして「それはイラっとしました」のように攻撃的なものではないということを認識しておく必要が まずあります。

相手にいかにフィードバックを受け入れてもらえるかということを考えると、相手の立場に立って受け入れやすい表現をする必要があるというのが、 この感情を伝えることの要素かと思っています。

最後に行動を促すですが、次回から○○をやってみましょうとフィードバック面談などで言ったり、言われたりしますが、果たしてそれは実現 されているのでしょうか。

ほとんどが、されていないのではと思っています。これは、確実にログをとってやりましょうということではなく、まず期待値を揃えてあげようという ことかと思います。

それはKPIのようなものではなくベクトルのようなものだと考えています。こういった行動や結果が望ましいというマイルストーンを置いてあげて 内省を促すというのが重要だと思います。

その上で、即座に改善できることを提示したり、できたときは褒めたり、できなかったときは一緒に原因を探ってみたりと前に進んでいくような アプローチが必要になってきます。

終わりに

フィードバックというのは、する側から受けてへのダメ出しというような印象を持っているのが大半かと思います。 しかし、本書はそういったことは悪であり、本来のフィードバックの目的とは、お互いが成長と成果を目指せるようになることであると 結論づけています。

これに関しては、個人的にも同意であります。単なる個々の行動の改善であるならば、おそらく人に言われるより、ロボットなりAIのように 人を介さない方が望ましいような気がします。(受験の模擬試験の結果みたいに)

そうではなくフィードバックを人が行うのであれば、立場で聞かせるなどもってのほかでお互いのコミュニケーションの一手段として 成長や結果を目的として未来志向的な行動を促していくものである必要があるように感じます。

これは、受け手にとっても同じであり、偉い人が言うから聞く、ダメな部分には目をつむるといったことをせずに自分を成長させるために 他者からどう見られているか、どこが悪いと思われているかなどを分析する一つのデータであると受け止める必要があると思っています。

常々、フィードバックを人格攻撃と受け止めてしまう人が多いので良くないと思いますが、自分を自己と切り離して仕事上のプレイアブルキャラクターと 自分を見立てて、それに対する評価であると第三者的に見た方が、精神衛生上も良いのではと個人的には思っています。

色々と書いてきましたが、本書はフィードバックを行う人にとっても受けてにとっても読んでおくべき一冊だと思います。 長いですが、細かなアクションについても記載されていますのでフィードバックを行う側は、フィードバックを行う前に読んで 何に気を付けておくかを意識しておくとよいものになっていくのではないかと思います。